ICE (DB)

ICE - InterCityExpress(Deutsche Bahn)

ドイツ鉄道


ベルリン ツォー駅(Berlin Zoo.)


私の乗ったICE  1994年11月6日(日)

ICE678 Dresden Hbf 0727 → Berlin Zoo 0927

 私が乗ったICEは,ドレスデン発ベルリン行きのノンストップだった.ドレスデン中央駅からベルリンツォー駅まで198kmを2時間ちょうどで走る.
 この路線は,ICEのために新たに引いた高速専用線ではなく,全区間在来線を走る.さらに,ここは旧東ドイツ地区なので,軌道の状態はあまり良いとは言えず,区間のほとんどが単線だった.ドレスデン−ベルリンといえばおそらく主要幹線のはずなのだが,DR(旧東ドイツ国鉄)時代は単線のまま放置されていたらしい.さすがに東西ドイツ統合後4年経って,合併したDBは旧東ドイツ地区での近代化に力を入れているようで,この路線でも複線化工事が始まってはいる.
 そういうわけで,このICEは在来線を無理矢理走らせているという感が否めず,最高速度は160km/h(デッキの液晶画面に速度が表示されるので正確のはず).普通の(客車を電機が牽引するタイプの)ICと同じか少し速いくらいの感覚で,それでも軌道の状態から考えればかなり無理してとばしているほうだろう.DB(旧西ドイツ国鉄)の誇る103型電機ならその程度の速度は簡単に出せるはずなので,この区間にICEを走らせているのは「東西ドイツ統合・DBとDRの合併」といった象徴的な意味も感じられる.ICEの車両性能からすれば少々もったいない.
 この時点のダイヤでは,早朝ドレスデン発ベルリン行きが1本,夜ベルリン発ドレスデン行きが1本の1日上下1本づつ計2本のみがICEで運用されており,ダイヤからすれば,ベルリンへ日帰りのビジネスマン向けの組み方といえよう.

[車両について]
 見たところ普通のICE(多分中身も).旧東地区独特の仕様ではなさそうだという意味.TGVと同様,両端の電機の間に客車がはさまれる形で,動力車2両,付随車8両の計10連が1ユニット.やはり電車ではなく機関車+客車という構成をとっているところはヨーロッパ的といえよう.高速列車となった今では,従来のように,汎用性のある(どこの国でも使える)客車に,国ごとの電化方式に合わせた機関車を度々つけ換えるなどということは不可能なのだが,お客を乗せる車両そのものにモーターを付けるなどということは,騒音,乗り心地といった点で,ヨーロッパ人,とくに中部から北部ヨーロッパの感覚では許されないのだろうか. (ヨーロッパ南部,例えばイタリアあたりでは,昔のTEE用電車や最近のペンドリーノなど,客車ではなく電車方式が結構多かったりする.というのは私の偏見?)
 機関車側面の銘板には,製造メーカ「Siemens」の文字が輝いていた.世界初の電機機関車を作ったドイツの総合電機メーカは今も健在.家電だけではなく,電機機関車もちゃんと作っているのだと感動した.
 車内は,最近のヨーロッパの列車の例にもれず,コンパートメントが少なく,ほとんどが開放座席.1等は車両の端の方に2つ位コンパートメントが有りそこは横3列とその向かい横2列の向かい合わせ(互い違いに配置されている).開放は横2列−1列,向かい合わせの固定(回転しない).リクライニングは十分余裕がある.

 なお,東西ドイツの統合にともない,旧西ドイツ国鉄(DB)と旧東ドイツ国鉄(DR)が合併した.現在の略称は「DB」のままで旧西側に吸収合併された形だが,いつのまにか民営化され,正式名称は Deutsche Bundes Bahn(西ドイツ国鉄)から Deutsche Bahn(ドイツ鉄道)に変わっている.これにともない,DBのロゴも若干文字の書体が変わってヒゲが無くなってしまった(個人的には以前のロゴの方がかっこ良かったと思うが).

DB ホームページへ


IC125TGV-3TGV-2X2000 ・ ICE ・ TGV-1EuroStar

ヨーロッパ鉄道の旅へ戻る


   
   ドレスデン中央駅(Dresden Hbf.)にて